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2008年1月1日開設


by taka1562t
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◎ 今日は何の日

■ 3月1日

■ 『今日は何の日?』電話の向こうでそんな声が聞こえる。
  『そばを打ったから取りに来てくれ』と言う私の言葉にそんな質問が帰ってくる。
  『今日は俺の誕生日』と言う私の言葉に要領を得ないらしく?マークの『どうして』
  が帰ってくる。無理も無い私の誕生日は3月21日なのだから。

■ 今日は私が農家にカンバックした記念の日。だから私の農家としての誕生日。
   勤めていた会社に病み上がりで戻ったときに提示された
  『3月1日より1年以上の休業、給料は無し』の条件に『お世話になりました』と
  返事をして会社を去った。
  あれから8年が過ぎた。早いものだと思う。

  多くのお客様にお取引を戴き、続けさせてもらった農業資材屋としての25年の生活が
  終わり、農家に戻った日。
   そこに待っていてくれたのが『カスミソウ』。
  この花が無かったら私に今日はあったのかと思うとぞっとする。
   
   会社を去った足でハローワークに行き仕事を探した。顔見知りの担当者は
  『菊地さん座るところが違うよ』と怪訝な顔で私を見たのを覚えている。それもそのはずで
  前回ここに来たときはいわゆる『求人』に来ていたのだから。
  それが一転仕事を探している。不思議に思うのも当たり前なのである。
  結局仕事は無く、帰宅した。
   病み上がりの身体でどうせ転職するなら昔の農家になろう。どっちみち人並みの仕事
  はその内容が何だとしても、無理なことは自分でも解っていたから。
  会社勤めをしながら続けていたカスミソウの栽培なら何とか出来そうな気がしていたから。
  あまり迷うことも無く結論はすぐに出た。
  
  昭和の終わり頃まで隆盛を極めていた『葉タバコ』栽培が陰りを見せ、その資材販売を
  していた私の仕事は先細りの状況だった。いくら農家訪問をしても仕事は無かった。
  途方に暮れる日が何年か続いた時、現在の昭和花き研究会の皆様に救われた。
  『俺たちが使う資材の手配をしないか』と声をかけてもらった。花とはどんなものか
  どんな資材が必要なのか、皆目見当がつかなかった。ひとつひとつ教えて貰いながら
  の仕事だった。その後栽培農家は年々増加し、使って貰える資材も増えていった。
  そんな10年の間に『昭和のカスミソウ』は全国のブランドになっていった。
   畑から青臭いタバコの匂いが消え、白い可愛いカスミソウが風にそよいでいた。

■ タバコの仕事が無くなったときに救われ、会社を去った(追われた)時に待っていて
  くれたカスミソウは私にとって何物にも替え難い作物なのである。
   いよいよ20年のカスミソウの仕事が始まった。少しでも良い物を、1箱でも多く
  出荷したい。その為に今年も頑張ろうと思う。
  今日はそんな日
by taka1562t | 2008-03-01 22:20 | かすみ草